Nature ハイライト

細胞:酵母の中の「砂時計」

Nature 443, 7110

細胞の構造を解明するためにはマイクロメートル以下のスケールでの観察が重要だが、そのために使える解析手段は限られている。A Vrabioiu とT Mitchison は新しい手法を開発し、それを用いて、分裂中の酵母にみられる「砂時計」の形をした構造についての長年の論争を解決した。がっちり結合させたGFP の偏光蛍光顕微鏡観察により、セプチン繊維の並び方とセプチンの動態を明らかにした。セプチンは重合活性をもつGTP アーゼ であり、細胞分裂に密接にかかわっている。セプチン繊維は生きている酵母中で規則性のある構造を形成しており、細胞質分裂の開始前にその向きが90 度回転するのである。

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