Nature ハイライト

生理:クモの糸のルーツを探る

Nature 443, 7110

クモは腹部の出糸突起とよばれる器官から糸を吐き、それを使って獲物を捕まえたり、身を守ったり、繁殖や分散をしたりする。ところが、コスタリカンゼブラレッグとよばれるタランチュラの一種は、脚から絹のような物質を分泌し、つるつるの垂直表面にへばりつくのに役立てていることが今回わかった。この発見によって、クモが使う新しい接着機構だけでなく、クモの糸の新しい放出源が明らかになった。この知見は、クモの糸の進化を探る糸口となる。歩脚の先端にある末節での糸の産生にかかわる遺伝機構の解析から、クモの糸のもともとの機能が牽引摩擦力を増すことだったのか、それとも、後になってからそういう機能のために用いられるようになったのかどうかがわかるかもしれない。

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