Nature ハイライト

物理:地球規模の量子ネットワークに向けて

Nature 488, 7410

中国青海湖の海心山から湖岸に向け放たれる2本のレーザービーム。
中国青海湖の海心山から湖岸に向け放たれる2本のレーザービーム。 | 拡大する

Credit: Chang Liu & Jian-Wei Pan

光が野外を自由に伝搬する自由空間チャネルは、量子通信の点で光ファイバーよりも有利となる。なぜなら、このようなチャネルのほうが、光子損失が少なくなり、デコヒーレンスも少なくなるからである。今回J Yinたちが、多光子エンタングルメントによる距離97 kmの1リンク自由空間チャネルにわたる独立したキュービットの量子テレポーテーションを報告している。2リンクチャネルを使って、距離101.8 kmにわたるエンタングルメント配送も実証している。これらの結果は、地球規模の量子ネットワークに向けた重要な一歩となる。特に、この実験で開発された高周波と高精度な補足・指向・追尾の技術は、将来の衛星を使った量子通信や量子論の基礎の大規模検証に直接利用できそうだ。

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