Nature ハイライト

物理:「光子がほとんどない」レーザー

Nature 484, 7392

原子のきわめて狭い光学遷移に基づいた「超放射」レーザー発振器は、そのスペクトルが従来型の光レーザーよりも数桁純粋になることを示唆する説が、最近示されている。そして今回、光共振器中の100万個を超えるルビジウム87原子双極子の自発的な同期に基づいて、そのような超放射レーザー源の1つが実証された。原子相関は、この共振器内部にある平均で0.2個より少ない数の光子によって保たれている。共振器内の光子数がこのように少ないため、この発振器(集団原子双極子)はその環境から切り離される。このことは、こうしたレーザーの熱雑音と技術的な雑音への感度を下げるうえで重要となる。実験結果から、超放射レーザーに対する複数の重要な予測が実証された。これらは、原子時計の安定性向上や、基礎物理学の新しい検証に使える可能性がある。

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