Nature ハイライト

物理:磁気再結合の速さの謎

Nature 482, 7385

磁気再結合は、プラズマ物理学で見られるエネルギー解放現象で、磁力線の切断と再結合がかかわっている。磁力線の局所的拡散はその過程の一部であるが、観測される再結合速度は一般的に、古典的な電気抵抗を用いて説明できる速度よりはるかに速い。高速再結合の基礎となる磁場拡散は、電気抵抗ではなく、イオンのラーモア半径(一様な磁場中で荷電粒子が行う円運動の半径)やイオンスキン長という「微視的」スケールで重要になる非電磁流体力学的過程の組み合わせに起因すると考えられている。A MoserとP Bellanは、明確な巨視的スケールの電磁流体力学的不安定性に始まる一連の不安定性が、速磁気再結合に伴う明確な微視的スケールの不安定性につながる機構として考えられるものの1つを示す実験観測結果を報告している。自然界では、この機構の必須要素が別々に観測されてきている。

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