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Cover Story:トゥルカナの石器:アフリカの古い人類遺跡で見つかった、従来よりもさらに古いアシュール文化

Nature 477, 7362

トゥルカナの石器:アフリカの古い人類遺跡で見つかった、従来よりもさらに古いアシュール文化
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Credit: Rhonda L. Quinn

既知の石器で最古のものは、石核から荒っぽく削り落とされた単純な薄片であり、一般にオルドヴァイ式石器と呼ばれている。その後に続くもっと高度なアシュール文化は、葉形の両面加工石器である「握斧」が特徴である。アシュール式石器は、ホモ・エレクトゥスの特徴である技術と考えられている。だが、140万年以上前の遺跡で年代が明らかにされているものはほとんど存在しないため、アシュール文化の出現時期はいまだ不明である。西トゥルカナ(ケニア)のKokiselei遺跡で今回行われた層序学的研究では、オルドヴァイ、アシュールの両方の型式の石器が出土し、176万年前のものと考えられる世界最古のアシュール式石器が見つかった。これは、アシュール文化の人工物として従来最古の記録とされてきたものよりも35万年古い。アフリカ外の人類の最古の記録は、石器を伴わないか、伴ってもオルドヴァイ式の石器であるため、今回の発見は、アフリカを離れた最初のユーラシア人類はアシュール文化を持ち出さなかった可能性も示唆している。表紙は大型の荒削りな握斧(KS4-203)で、平らな響岩の塊から硬い槌によって作られたもの(Letter p.82)。(P.-J. Texier/MPK/WTAP)

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