Nature ハイライト

進化:哺乳類における初期の分岐の年代

Nature 476, 7361

現生哺乳類はほぼすべてが有胎盤類である。現在の有胎盤類の祖先と有袋類の祖先とが分岐したことは、哺乳類の進化における重要な出来事の1つだった。今回、その分岐の有胎盤類側に位置する化石が発見され、分岐の年代はこれまでの推定より3,500万年さかのぼって約1億6,000万年前となり、ジュラ紀に入ることになった。中国で出土したこの化石からは、人類および多くの哺乳類を含む有胎盤類の最初期の動物が、樹木に登って樹間をすばやく動き回ることに適応した小さな動物であったことがわかる。こういった動物はおそらく、地上の恐竜から十分な距離を維持して生活していたのだろう。この化石の年代は、ジュラ紀の哺乳類進化の速度が従来の予想よりも速かったことを示唆している。

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