Nature ハイライト

量子情報科学:マイクロ波によるイオンのマイクロ管理

Nature 476, 7359

トラップされた原子イオンは、レーザー光を使ってコヒーレントに操作できるが、高周波やマイクロ波を使って同様の制御を行うのは難しい。今回2つの研究グループが、トラップされた原子イオンをマイクロ波によって制御し、量子情報処理に使うことを可能にする新しい方法を報告している。Ospelkausたちは、微細加工で作製したイオントラップに電極を組み込み、それによって発生する磁場を使ってマイクロ波制御を行えるデバイスについて述べている。トラップ中に保たれたイオンの内部量子状態はコヒーレントに操作でき、エンタングル状態が発生可能である。もう1つの論文ではTimoneyたちが、トラップされたイオンにマイクロ波パルスを印加し、イオンを外側の擾乱から隔離した状態へと変換する方法を報告している。この方法は、この系のコヒーレンス時間を大幅に延長し、マイクロ波に駆動されるイオントラップ量子情報処理についての見通しをぐっとよいものにしている。

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