Nature ハイライト

宇宙:ボイジャー1号のゆっくりした「さようなら」

Nature 474, 7351

探査機ボイジャー1号は、2004年12月に太陽系から離脱し始め、太陽風末端衝撃波面を通過して、ヘリオシースに入ろうとしていた。ヘリオシースは、イオン化した粒子の流れである太陽風が、星間物質と相互作用し始めて減速する領域である。ボイジャーの計器は、ヘリオシース内のプラズマのバルク速度をまだ計測しており、最新の結果によると、プラズマ速度は過去3年間に秒速70 kmからほとんどゼロまでほぼ直線的に減少し、ここ8か月間の値は変わっていない。このことは、ボイジャー1号がヘリオポーズ付近、つまり太陽風の残りが星間空間内の圧力と一致する領域にいる可能性を示している。ヘリオポーズでは急激な不連続面が存在すると理論的に予想されていたため、ボイジャーによって観測された太陽系出口の緩やかな変化は、少し意外に思われる。

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