Nature ハイライト

材料:グラフェンのリボンを作る

Nature 466, 7305

グラフェンナノリボン(厚さが原子1個分で縁が直線状の細長い炭素シート)は、興味深い特性を示し、将来の電子応用に適していると予想されている。この可能性を実現させるには、より化学的に精密なグラフェンナノリボン作製法が必要だろう。Caiたちは、さまざまなトポロジーと幅をもつ原子レベルで精密なグラフェンナノリボンをボトムアップ式に作製する方法を開発して、この目標に一歩近づいたことを報告している。作製過程では、前駆体モノマーを金属表面に蒸着させており、モノマーの構造によって最終リボン生成物のトポロジーと幅が「コード化」される。表面によって前駆体の結合が促進されて直線状ポリフェニレンが形成され、その後、脱水素環化反応が起こる。この方法の汎用性と精密さを考えれば、化学的特性や電子的特性が調整された、もっと珍しい種類のグラフェンナノリボン構造体まで作製できるようになるかもしれない。

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