Nature ハイライト

発生:初期胚でのデフォルト経路は神経への分化

Nature 470, 7335

胚性幹細胞は、体のどのようなタイプの細胞にも発生する能力を持っているが、培養した場合のデフォルト経路、つまり自動的に選択される経路は神経細胞への分化である。だが、外因性の誘導シグナルがない状態で、神経細胞へと細胞運命を指定する機構については、ほとんどわかっていない。今回、上谷大介(理化学研究所および京都大学)らは、初期胚での「神経分化デフォルト」現象を駆動する細胞内在性因子を突き止め、ジンクフィンガー核タンパク質Zfp521の存在が、神経細胞への運命をとらせるのに必要十分であることを示した。この研究成果は、胚発生についての理解を進め、また再生医療や創薬にも役立つことが期待される。

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