Nature ハイライト

生化学:細胞死の際にRIPKと結合するカスパーゼ8

Nature 471, 7338

カスパーゼ8は、細胞表面に存在するデス受容体が誘導するアポトーシスを仲介するが、それと同時に、RIPK(receptor interacting protein kinase)に依存して起こる壊死を防いでいる。カスパーゼ8を欠くマウスは胚の発生中に死亡するが、なぜそうなるのかはわかっていなかった。この致死性がアポトーシスの欠如によるものではなく、カスパーゼ8がないことで開始されたRIPK3依存性の壊死によるものであることが、2つの研究グループにより明らかにされた。カスパーゼ8とRIP3の両方を欠失するマウスは生存可能で正常な免疫能をもつ成体になるが、デス受容体CD95欠失マウスに似た、進行性のリンパ球蓄積症を発症する。またOberstたちは、カスパーゼ8は、FLIPL(FLICE-like inhibitory protein long)と共にタンパク質分解活性を持つ複合体を形成し、この複合体がRIP3依存性の壊死の防止に必要であることを示している。

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