Nature ハイライト 発生：幹細胞の分裂の仕方による分化制御 2011年2月17日 Nature 470, 7334 幹細胞や前駆細胞における非対称細胞分裂（asymmetric cell division；ACD）は、増殖と分化という相反する要求のバランスをとる働きをしている。哺乳類での正常な組織構築の制御にACDがかかわっているのかどうかははっきりしていないが、発生中のマウスの皮膚では、層形成の際に対称分裂が主な状態から非対称分裂が主な状態へと切り替えが起こることから、ACDがかかわっていると考えられている。今回、in vivoでのRNA干渉に基づく新規ノックダウン技術を用いて、表皮のACDを引き起こす遺伝的経路が分析された。その結果、紡錘体の配向を統御するタンパク質であるLGN、NuMAおよびDctn1が、Notchシグナル伝達によって調節される非対称細胞分裂を促進することが示された。ACDは、層形成だけでなく、Notchの区画化に影響することによっても分化を促進する。 2011年2月17日号の Nature ハイライト 進化：「ヒトの祖先」の線引きをする 発生：幹細胞の分裂の仕方による分化制御 細胞：老化の軸となるテロメア/ミトコンドリア 宇宙：超大質量ブラックホールはもっと小さい？ 材料：新しいメタマテリアルが示す30以上の屈折率 漁業：持続可能な漁業のモデル 進化：さらに古い化石記録に出現した複雑な生物形態 発生：初期胚での細胞運命 目次へ戻る
