Nature ハイライト

細胞:神経活動応答性エンハンサーの新しい機能

Nature 465, 7295

遺伝子の調節タンパク質は、プロモーターのmRNA転写開始部位付近の非コードDNAか、ゲノム上で遠く離れた位置にあるエンハンサーの非コードDNAのどちらかに結合する。エンハンサーは、プロモーターにRNAポリメラーゼを引き寄せるのを助ける働きをする。今回、ゲノム規模の塩基配列解析により、神経細胞の電気的活動に応答する1万個以上のエンハンサーを調べ、この調節過程でエンハンサー自体のところへもポリメラーゼが誘導され、そこで非コードRNAを転写することが明らかになった。この「エンハンサーRNA」(eRNA)合成が起こるのは、プロモーターからのmRNA合成を活発に促進しているエンハンサーに限られている。この結果は、少なくとも脳内では、エンハンサーが遺伝子発現の調節でこれまで考えられていた以上に、積極的な「プロモーターに似た」役割を果たしていることを示唆している。

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