Nature ハイライト

医学:地球温暖化とマラリア

Nature 465, 7296

熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)に関して最近発表された、科学的根拠に基づく分布地図を、主要なマラリア制圧策が導入される前の1900年ごろから後のデータと比較した研究で、気温上昇がマラリア制圧への脅威になるという懸念は誤っていることが示唆された。地球全体の気温上昇が明らかであった100年間にも、マラリアの分布域と発生頻度は急激に減少していた。想定される温暖化の影響は、制圧活動の効果より少なくとも1桁は規模が小さいことから、マラリア制圧計画の成否は、気候以外の要因によって決まる可能性が高いと考えられる。

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