Nature ハイライト

気候:海洋は温暖化している

Nature 465, 7296

海洋表層は巨大な熱シンクとして働き、人為起源の温室効果ガスにより生み出された余分なエネルギーの大部分を吸収してきた。このため、海洋の貯熱量は気候変化の主要な指標となる可能性がある。しかし、地球規模でのエネルギー収支を見積もり、気候モデルをしぼり込むのに役立つようにするには、そのような主要な指標の測定の不確実性を十分に解明する必要がある。今のところ、海洋の熱吸収量の規模は極めて不明確であり、特に年々変動パターンは見積もりによって異なっている。注目すべき国際共同研究においてLymanたちは、入手可能な海洋表層貯熱量偏差の変動曲線を比較し、投下式水温水深計データのバイアス補正が難しいことを含めて、この変動曲線に付随する不確実性の原因を分析した。そして、不確実性があるにもかかわらず、1993〜2008年の間に1平方メートル当たり0.64ワットの温暖化傾向を示す、明瞭かつ確固とした証拠が見いだされた。

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