Nature ハイライト

遺伝:好みのうるさい植物病原体

Nature 464, 7287

フザリウム属(Fusarium)の菌類は重要な植物病原体で、さまざまな胴枯れ病、根腐れ病、萎凋病の原因となる。一部の種は宿主の範囲が幅広いが、選択性の高いものも多い。今回新たに塩基配列が解読された2種を含む3種のフザリウム属菌で、宿主範囲の広いものと狭いものの比較ゲノミクス研究が行われ、この違いがどこから来るかについての手がかりが得られた。さらに、通常の増殖培地でトマト萎凋病菌(Fusarium oxysporum)の2系統を混合するだけで、一方の系統から完全な染色体2個が伝達されて、非病原性系統が病原性に変化することがわかった。これらの知見は、フザリウム属の宿主範囲と病原性の進化を解明する手がかりになる。

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