Nature ハイライト

宇宙:太陽系外惑星の大気

Nature 463, 7281

宇宙空間に打ち上げられた赤外線望遠鏡により、「ホットジュピター」型の太陽系外惑星の大気中に、H2O、CH4、CO2、COといったさまざまな分子が見つかっている。今回Swainたちは、ホットジュピターHD 189733bの昼側の、宇宙望遠鏡では得られない波長域の放射スペクトルを、地上から観測した結果を報告している。この観測により、波長約3.25 µmの明るい輝線が見つかったが、これは予想外であり、局所的な熱力学平衡条件を仮定する現在のモデルでは説明が難しい。メタンからの蛍光放射は、太陽系惑星の大気でみられるものと似ており、これが説明になりそうだ。今回の成果は、太陽系外惑星の大気化学的性質が予想以上に複雑なことを示唆しており、地上の望遠鏡を使った太陽系外惑星分光学という新分野が開かれそうだ。

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