Nature ハイライト 進化:絶滅した海生爬虫類の性決定 2009年9月17日 Nature 461, 7262 陸生脊椎動物は、出現してからも幾度となく海に回帰してきた。哺乳類である現生アザラシ類やクジラ類は胎生であり、性が遺伝子型によって決定される。しかし、モササウルス類や魚竜類、首長竜類など、かつて海で栄えた多くの爬虫類はどうだったのだろうか。性決定は環境か遺伝子型のどちらかで、出生様式は胎生か卵生のいずれかだったと考えられる。Organたちは系統発生解析に基づき、過去に海生に戻った爬虫類は胎生であったばかりでなく(これは化石記録から明らかである)、遺伝子型による性決定機構をもっていたと考えている。これによって、産卵のために陸地に戻る必要性(有羊膜卵は水中では死滅する)から解放され、高度に進化した魚類様の身体への形態変化が可能となったのだろう。 2009年9月17日号の Nature ハイライト 細胞:欠陥ミトコンドリアDNAの交換修理 生化学:タンパク質が見せる手品 宇宙:やっと解明されたヘルクレス座の謎 工学:跳ね返る液滴 気候:森林が放出するイソプレンはエアロゾルを減らす 進化:絶滅した海生爬虫類の性決定 医学:C型肝炎の治療効果予測マーカー 細胞:iPS細胞を使った疾患モデル 目次へ戻る