Nature ハイライト

宇宙:宇宙の暗黒時代を照らす

Nature 427, 6977

初期宇宙を光で満した段階が、別個に少なくとも2度あったらしいことが明らかになった。 宇宙で最遠方の天体は、クエーサー、つまりガスを飲み込む際に光を発生させる巨大ブラックホールである。数十億年前にクエーサーから放射された光を地球で観測して解析すれば、当時の宇宙の様子を解明することができる。銀河間を漂う希薄な水素ガスは、クエーサーの紫外光を遮断するが、ガスは一旦この光を吸収すると透明になる。 J S B WyitheとA Loebはこの物理情報を用いて、ビッグバンのわずか数億年後に誕生した「古い世代の」大質量星が、クエーサー以前に存在したと結論している。これら最初の星が死ぬと、銀河間水素が冷えて不透明になった。クエーサーが出現すると、水素を再び透明にし始めた。 News and ViewsでS G Djorgovskiは、「彼らの解析は、銀河形成初期の歴史がほんの数年前に考えられていたよりも複雑だったという一連の証拠をまた1つ増やすものだ」と語っている。

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