Nature ハイライト

地球:バム地震の後で

Nature 458, 7234

2003年にイランのバムに甚大な被害をもたらした地震は、この都市の直下にある地下断層の破壊により起きた。この地震によって深さ3〜7 kmで2 m以上ある大きなすべりが生じたが、地表でのすべりはずっと小さかった。Fieldingたちは、エンビサット衛星で得られた合成開口レーダー画像の干渉解析を用いて、その地域で地震後に断層帯がどのように応答したかを観測した。その結果から、断層の一部に沿った余効すべりと多孔質弾性的な反発を示唆する局所的な圧密だけでなく、断層帯の上部1 kmのところでは、地震時の膨張からの回復と圧密が起こっていることも明らかになった。このような変形は、断層帯全体にわたって広がっており、横ずれ断層の破壊でみられることのある、浅部のすべり欠損を説明できる可能性がある。

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