Nature ハイライト

細胞生物学:ZENというモーターと細胞周期

Nature 430, 7002

生物で最も魅力的な絵になると思われる現象の1つは、細胞が2つに分裂する直前、対になった染色体が、「紡錘体」上にきちんと整列したところだろう。紡錘体は染色体を引き離して分類し、それぞれの娘細胞がゲノムの全染色体のコピーを1個ずつまちがいなく受けとれるようにする。M Glotzerたちは、紡錘体の働きの調節に不可欠なのは、コメディと同じく絶妙なタイミングであることを報告している。紡錘体の必須成分にZEN-4というタンパク質がある。これは染色体の娘細胞への分離を行うモーターの成分である。ZEN-4のモーター活性を制御しているのは、また別のタンパク質Cdk1/サイクリンBで、さらにその活性は基本的に「チェックポイント」という系に関連している。この系は、細胞の成長や細胞分裂の各段階を確実に同調させるように働いている。この機構があるために、紡錘体の構築と活動が、細胞周期の適切な時期にまちがいなく起こるのである。

2004年8月19日号の Nature ハイライト

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