Nature ハイライト

細胞:miRNAはタンパク質量を微調整する

Nature 455, 7209

マイクロRNAは、メッセンジャーRNAの翻訳阻害、あるいはその分解の誘導により、遺伝子発現を調節できる。これまでの研究ではmRNAレベルでの調節は調べられてきたが、タンパク質レベルでどの程度の調節が起こっているのかは、ほとんどわかっていなかった。今回、D BartelとN Rajewskyがそれぞれ率いる2つのグループは、SILAC(細胞培養中のアミノ酸を用いた安定同位体標識法)を改良し、マイクロRNA発現の関数として、タンパク質レベルのプロテオーム全体にわたる変化を測定した。その結果、マイクロRNAは数百もの遺伝子の翻訳を直接抑制できる一方、その間接的な影響によってさらに数千もの遺伝子の発現に変化が生じることがわかった。変化の程度は2倍にも満たない場合が多く、このことはマイクロRNAが直接的あるいは間接的に、その時々の細胞の要求に合わせてタンパク質合成を微調整する加減抵抗器のような働きをしている可能性を示している。

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