Nature ハイライト

宇宙:銀河系中心のブラックホールに迫る

Nature 455, 7209

いて座A*(Sgr A*)の本来の大きさが、波長1.3 mmという比較的短波長で超長基線電波干渉計(VLBI)を使って新たに求められた。Sgr A*は、銀河系中心の超大質量ブラックホールではないかと考えられている。この観測結果から推算された大きさの下限は、想定されていたブラックホールの「事象の地平面」の大きさより小さいことから、Sgr A*からの放射の中心は、ブラックホール自体ではなく、その周囲の降着流であると考えられる。VLBIによる波長ほぼ1.3 mmでの銀河系中心の観測は、もっと長波長での観測よりも星間空間での散乱の影響が小さいので、新たなVLBI局が建設された暁には、ブラックホールの物理学的性質をさらに高感度に調べる新たな機会が得られるだろう。

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