Nature ハイライト

工学:柔軟なナノチューブ回路

Nature 454, 7203

折り曲げ自在なプラスチックシート上に形成された集積回路は、従来の材料から作られた回路よりも軽くて丈夫である上に、曲げられるという便利さがある。有機小分子やポリマーから作られた半導体は、こうした用途に有望であることが示されてきた。しかし、今週号に報告されている新しい炭素系ナノ材料について、開発者たちは、エレクトロニクス用途に現在利用可能な材料より高い性能が見込まれるといっている。Caoたちは、プラスチック基板上で単層カーボンナノチューブが作るランダムネットワークで構成される小規模から中規模の集積デジタル回路を開発した。そのレイアウトは高い移動度と高いオン/オフ比を可能にするもので、得られたデバイスおよび回路(最高100個のトランジスターで構成される)は優れた電気的特性を示す。Caoたちの新しい膜は、特殊な家庭用電子機器、バイオセンシング、オプトエレクトロニクスなど幅広い用途に役立つだろう。

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