Nature ハイライト

Cover Story:原子を画像化:「見えない」グラフェンによって1個1個の炭素原子や水素原子が電子顕微鏡で見えるようになる

Nature 454, 7202

走査トンネル顕微鏡は、固体表面の様子を原子スケールで画像化することを可能にした。しかし、走査トンネル顕微鏡は、サンプルの導電性、清浄度、データ取得速度の点で限界がある。一方、それより古い技術である透過電子顕微鏡法(TEM)は、個々の重原子を画像化できるまでに発展したが、軽原子については、コントラストが低いため画像化が困難であった。ここで、グラフェンが登場する。グラフェンは、高密度二次元ハニカム格子状に炭素原子が充填された厚さ1原子分の炭素シートである。Meyerたちは、グラフェン上に吸着した小さい炭素原子はもとより、水素原子までもが標準的なTEM技術で画像化できることを示している。極薄のグラフェンは見えないか、あるいはグラフェン格子が高分解能で解像されたとしても画像信号への寄与分を容易に除去できるため、理想的な支持体となる。この手法で、グラフェン自体のみならず生体分子も原子分解能で観察可能となる。表紙は、グラフェンシート(赤)上の水素原子(紫)と左にある炭素原子(先端が黄色)。黄色の頂端はアモルファス炭素である(Letter p.319, N&V p.283, Author page, www.nature.com/podcast)。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度