Nature ハイライト

聴覚:自らの声に耳傾けよ

Nature 453, 7198

我々が話をする際には、外界の音を聴くことと自分の声を把握することの両方ができなくてはならない。ヒトを含むいくつかの動物種では発声中に聴覚ニューロンが抑制されているが、その機能は不明だった。新たな研究で、これらの「抑制された」ニューロンは、実は自分の発した音に対する感度が上昇していることが示唆された。S EliadesとX Wangは、自由行動しているマーモセットの一次聴覚野ニューロンは、音全般に対しては抑制されながら、自分の発声のフィードバックの変動に対しては感度が上がっていることを見いだした。これは、自分の声の微妙な変化を能動的に検知するための機構である可能性がある。このようなフィードバックの自己監視機構の障害が吃音などのヒトの発話障害の原因であることは、既に示唆されている。

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