Nature ハイライト

化学:進展するウランの化学

Nature 451, 7176

ウランはほとんどの場合、溶解性と移動性の高いウラニルジカチオン[UO2]2+として環境中に存在している。また、[UO2]2+は、原子力発電や鉱業から排出される主要な放射能汚染物質でもある。その化合物は、ウラン原子と2個のオキソ基の結合が並外れて強いため、化学的に不活性である。今回Arnoldたちは、そのジカチオンを適当な剛直分子骨格内に配置することによって強いO=U=O結合が開裂されると、1個のウラニルオキソ基が、通常なら遷移金属オキソ基のみが関与するラジカル反応を起こせるようになることを報告している。ウラニルジカチオンがその位置に置かれると、1電子還元とオキソ基官能基化の両方が起こり、独自の5価のウラニル化合物が形成される。このような変換によって、溶液中で最も一般的な形態のウランを操作・処理する方法がもたらされるかもしれない。

2008年1月17日号の Nature ハイライト

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