Nature ハイライト

医学:慢性疼痛治療の新たな標的

Nature 451, 7176

炎症性疾患や神経損傷に伴う慢性疼痛は、従来の鎮痛剤では効果がないことが多いため、このような疼痛を誘発する仕組みの解明に対する関心は高い。慢性疼痛の極めて重要な要因として、脊髄でのシナプス抑制の低下を示す証拠が増えつつある。このことから考えられる合理的な療法は、この抑制不全の回復を図るというものだ。「ノックイン」マウスを用いた新たな研究によって、この脊髄痛に大きく関係する特定のGABAA受容体サブタイプが突き止められた。これらの受容体サブタイプを標的とする試験薬L-838,417は、ラットの炎症性および神経障害性の疼痛モデルで効果が認められ、特異性の低いGABAアゴニストに予測される鎮静作用、運動障害および耐性は生じなかった。

2008年1月17日号の Nature ハイライト

目次へ戻る

プライバシーマーク制度