Nature ハイライト

脳:脳損傷後の刺激で意識回復を狙う

Nature 448, 7153

現時点では、脳に外傷性の損傷を負った患者の長期にわたる意識喪失を回復させる確実な手段はない。しかし、最小意識状態(意識の兆候が断続的にみられる状態)の患者の一部に、ある程度の大脳活動が残っていることを示す証拠が提出され、この問題への関心が高まっている。Schiffたちは、脳損傷後に最小意識状態にある患者についての研究で、視床に両側性深部脳刺激を行うと、行動的な応答性と機能が増進する可能性があることを報告している。損傷後6年を経た患者でこのような観察がなされたことは、重度の脳損傷を受けた患者への対処法に関する現在の考え方に変更を迫るものだ。

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