Nature ハイライト 遺伝:クロマチン・プロファイリング 2007年8月2日 Nature 448, 7153 多細胞生物がもつさまざまな型の細胞は、どれも全く同じ遺伝子セットをもっているにもかかわらず、その挙動は大きく異なっている。細胞のこのような状態は、クロマチンの状態、すなわちゲノムをコンパクトにまとめる働きをするヒストンなどのタンパク質の修飾と関連すると考えられている。今回、単一分子塩基配列決定技術を使い、マウスの胚性幹細胞と発生がもう少し進んだ2種類の細胞で、クロマチンの状態に関する地図が作られ、重要なクロマチン修飾のゲノム全体にわたる分布が明らかになった。今回の研究は、癌のような異常な細胞が発生する状況なども含め、哺乳類の細胞集団について、包括的クロマチンプロファイリングを行うための指針となるだろう。 2007年8月2日号の Nature ハイライト 脳:脳損傷後の刺激で意識回復を狙う 遺伝:クロマチン・プロファイリング 細胞:違いをシグナル伝達 細胞:肺癌とALK 物性:グラフェンでのスピン輸送 地球:剪断応力が起こす微動 進化:最古の硬骨魚類の顎と歯 進化:ミクロな規模のマクロな進化 遺伝:新たな糖尿病遺伝子の発見 物理:秩序と無秩序 目次へ戻る