Nature ハイライト

Cover Story:多遺伝子性疾患:炎症性腸疾患に関する研究で解きほぐされたその複雑性

Nature 448, 7152

クローン病や潰瘍性大腸炎を含む大分類群である炎症性腸疾患(IBD)は多遺伝子性疾患だが、さまざまな環境要素とも関連している。こうした複雑性にもかかわらず、その病因の解明は大きく進展してきた。R XavierとD Podolskyは、この分野における最近の進展について概説している。IBDの遺伝学的研究からは、上皮障壁機能、自然免疫および適応免疫がその病因に果たす役割が指摘されている。一方、主要な環境因子には、感受性をもつ宿主に免疫機能の調節異常を引き起こす(ことがある)共生細菌などが含まれる。IBDの解明の進展から、複合性疾患の病因をどのように細分化して分析できるか明らかになってきた。心臓病、糖尿病などの多遺伝子性疾患でも、これと同じような病因の分離解明が可能かもしれない(Review Article p.427; www.nature.com/podcast)。表紙はヒトの活性化したマクロファージで、この細胞はIBDの病因に重要ないくつかの細胞集団の1つである。

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