Nature ハイライト

構造生物学:アミロイドのもつジッパー

Nature 447, 7143

アルツハイマー病やパーキンソン病などの変性疾患は、脳内でのアミロイド繊維の沈積を伴う。繊維の構造は、構成タンパク質が多様であることを考えると、意外なくらい均一である。Sawayaたちは今回、広範なアミロイド病から30種の短い繊維形成ペプチドを探し出し、それらのうちの13種がつくる結晶の原子構造を解明した。これまでに調べられたペプチドは、どれもさまざまな「立体ジッパー」を形成して自己集合する。立体ジッパーとは、酵母プリオンタンパク質Sup35で最初に見つかった特徴的構造である。このジッパー構造はアミロイド繊維の強度を決める重要な性質である可能性があり、治療的介入の主要標的である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度