Nature ハイライト

物理:素朴な現実からかけ離れていく量子物理学

Nature 446, 7138

大抵の人は大抵の場合、人生や科学において、「実在」についての確固とした概念をもって何とかうまくやっていくことができる。概して、外的実在は観測に関係なく存在する。しかし量子物理の世界では、個々の事象は確率論的にしか予測できず、こうした考え方は通用しない。ベルの定理によると、実在論と局所性(局所的な事象は、空間的に離れた領域の作用によって影響されないことを意味する)を同時に仮定する理論に基づく理論はどのようなものであれ、何らかの量子予測と矛盾する。もつれ合った粒子対に関する以前の研究で、こうした量子予測は実証されていて、局所的実在論は擁護しがたいことが示されている。したがって、物理的実在論を根本概念として維持するには、局所性を否定する「幽霊のような」作用を導入しなければならない。今回、実験と理論を組み合わせた新しい研究によって、そのような非局所的実在論のうちの主要でかなり妥当性の高い理論が、観測されている量子相関と矛盾することが示された。この結果からすると、量子論が将来拡張される場合には、この実験と合わそうとするなら、実在性に関する記述の一部を放棄しなければならないだろう。局所性の概念の放棄だけでは、十分「非実在的」になれないというわけだ。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度