Nature ハイライト 物性:ナトリウムイオンで制御する? 2007年2月8日 Nature 445, 7128 コバルト酸ナトリウムは、並外れた電子的特性と熱的特性をもつため多くの注目を集めている。酸化コバルトシートは、その間に水分子が入り込むと超伝導体になり、新しい磁気特性と高い熱起電力をもつ。これらの特性の起源に関する最近の研究から、酸化コバルトシートの間のインターカレーション層におけるナトリウムイオンの意外なパターニングがはっきりしてきた。新たに行われた中性子回折およびコンピューターモデリング研究では、この材料におけるナトリウム秩序化の機構とパターンが、さらに解明されている。Na+のパターニングはクーロンポテンシャルの周期的揺らぎを誘発することが明らかになり、この揺らぎはコバルト酸ナトリウムの輸送特性および磁気特性に決定的役割を果たしている可能性がある。今回の研究は、ナトリウムとの化学反応および生化学反応によってナノスケールで電子流をスイッチングできる可能性を示唆している。 2007年2月8日号の Nature ハイライト 気候:温暖化についてのホットな報告 発生:形成体の起源をたどる 構造生物学:対象が拡大したNMR分光法 物性:ナトリウムイオンで制御する? 気候:地球規模の気候変化 神経:内在性カンナビノイドをねらえ 植物:植物ホルモン活性化の新しい仕組み 医学:p53と腫瘍の退縮 細胞:DNAメチル化の解消 目次へ戻る