Nature ハイライト

Cover Story:季節のリズムと開花:全球マップが明らかにする、植物の生態の季節的多様性

Nature 645, 8079

表紙は、米国カリフォルニア州ジョシュアツリー国立公園で開花するマツヨイグサの一種Oenothera deltoidesである。植物の成長における季節的リズムは場所ごとに大きく異なり、こうして生じる地理的パターンは「地表面フェノロジー(地表面の植生の季節変化)」と呼ばれ、生態系機能に関する重要な情報を含んでいる。今週号ではD Terasaki Hartたちが、人工衛星データに基づく地表面フェノロジーの全球マップを提示し、これを用いて、季節的生活環における局所的な乖離および大陸間の収束のパターンと駆動要因を評価している。著者たちは、これらの地図を一連の植物・動物種から得られた地上のデータと比較することで、特定の地域において近接地点間で季節的フェノロジーが同期しない傾向である「異所性による異時性(allochrony by allopatry)」の生態的・進化的帰結を理解する上で、リモートセンシングが有用であることを実証している。

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