Nature ハイライト
Cover Story:木の中の群生:木質部のマイクロバイオームの解析から、高木1本当たり約1兆の細菌が生息していることが明らかに
Nature 644, 8078
生木の木質部は、地球上で最大の生物量貯留庫であるが、そのマイクロバイオームについてはあまり調べられてこなかった。今週号では W ArnoldとJ Gewirtzmanたちがこの未知の領域を探り、高木をすみかとする豊富な微生物群を明らかにしている。研究者たちは、米国北東部の150本を超える高木から試料を採取し、高木1本当たりの木質部に約1兆もの細菌が存在することを見いだすとともに、こうしたマイクロバイオームは木質部に適応していて、宿主となる高木種に特化していることを指摘している。彼らは、心材と辺材がそれぞれ独特な生態的ニッチを保持することも明らかにしているが、これらの微生物群集は他の植物組織や生態系のものとはほとんど類似していない。
2025年8月28日号の Nature ハイライト
量子シミュレーション:中性原子アレイによる反強磁性体の量子シミュレーション
光物理学:メタ表面における共鳴の超高速光制御
機械学習:光処理技術を使用した生成AI
熱電学:伸縮可能な弾性有機熱電材料
材料科学:酸化物の気体依存性還元ダイナミクス
前生物化学:前生物的なRNAアミノアシル化
環境科学:コンゴ民主共和国の都市ガリーの影響
環境社会科学:気候変動下での気温の上昇に関連した疾病による入院負荷
社会科学:移民と国民の間に賃金格差が生じる原因を探る
古生物学:「隠密遊泳」を可能にした大型魚竜の鰭
認知科学:認知の統一理論に向けた基盤モデル
神経科学:巻きの向きを逆転させて分解
微生物生態学:環境変化に対する土壌代謝活性を規定する機能的レジーム
微生物学:プロファージが重感染を防ぐ分子機構
免疫学:免疫チェックポイント阻害剤の効果を高める腸内細菌株の特定
神経生理学:腸管神経系が腸内の栄養素の情報を知る仕組み
がん:WGDは、卵巣がんでは進化と免疫異常に関わっている
腫瘍免疫学:バーコード化したウイルスの追跡によりアストロサイトとGBMの相互作用を特定
構造生物学:大きなRNAだけからなる構造