Nature ハイライト

細胞:目印を外す

Nature 442, 7100

今週号には、ヒストンH3のトリメチル化されたリシン9からメチル基を取り除くことができる酵素の同定に関する報告が2本掲載されている。リシン9のトリメチル化はヘテロクロマチンの形成に必要で、これまでは安定な修飾だと考えられてきた。Cloosたちは、JMJD2酵素ファミリーの一員であるGASC1が過剰に発現されるとヘテロクロマチン構造を壊す作用をもち、がん発生の一因となる可能性を明らかにした。Kloseたちは、やはりJMJD2型の酵素であるJHDM3Aの過剰発現がヘテロクロマチン構造を壊すことを明らかにしている。この酵素は、ユークロマチン中で働いて転写を調節しているらしい。

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