Nature ハイライト

Cover Story:高地の暮らし:極端な高地で顕花植物が繁茂するのを助ける分子機構

Nature 606, 7914

表紙は、エクアドルのチンボラソ県にあるアルタール山の高地で育つ植物である。極端に高い高度は、大半の生物に難題をもたらし、顕花植物もその例外ではない。しかし、顕花植物は、海抜6400 mほどの高地でも育つことが見いだされている。今回M Holdsworthたちは、植物が極端な高地に適応するのを助ける分子機構を明らかにしている。彼らは、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、トマト、ケシ、ミナトカモジグサ(Brachypodium distachyon)という、顕花植物の4つの異なるクレードを代表する植物を調べた。その結果、植物は遺伝的適応を用いて、大気中の酸素(酸素分圧は高度とともに低下する)に対する感受性を調節していることが分かった。植物は、周囲の酸素レベルを解読して、自身が育つ高度を感知し、内部の生化学過程を最適化できるのである。

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