Nature ハイライト

生態学:生態系機能の成分

Nature 598, 7881

陸域生態系の機能間の協調の程度やそれらの原動力を解明して定量化することは、気候や環境の変化に対してどの生態系機能が最も脆弱かを予測する上で重要である。今回M Migliavaccaたちは、主要な陸域バイオームおよび気候帯にわたる地表面ガス交換測定値のデータセットから一群の生態系機能を導き出し、それらの機能内の変動の大半が、3つの主要な成分で捉えられることを示している。第1の成分は生態系の最大生産力を反映しており、植生の構造および葉の化学的性質によって説明される。第2の成分は生態系の水利用戦略を反映しており、植生の高さおよび気候の変動を組み合わせて説明される。第3の成分は生態系の炭素利用効率を表しており、乾燥度や気候、地上バイオマス、葉の化学的性質の変動によって説明される。今回の知見は、生態系の多機能性の指標を開発するための道を開くものだと、著者たちは述べている。

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