Nature ハイライト

生化学:神経伝達物質がその受容体を介してシグナルを送る仕組み

Nature 595, 7867

Gタンパク質共役受容体のCファミリーに属する受容体は二量体で大きな細胞外ドメインを持っていて、より大きなファミリーに含まれるGタンパク質共役受容体の大部分とは異なっている。このような受容体の相互作用やGタンパク質を介したシグナル伝達の仕組みは、分子レベルではほとんど解明されていない。今回G Skiniotisたちは、中枢神経系の主要な興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸によって活性化されてシグナル伝達を行うGタンパク質共役代謝型グルタミン酸受容体について、複数の構造を明らかにしている。これらの構造から、このような受容体が形成する二量体が1個のGタンパク質とだけ共役する仕組みが示され、非対称なシグナル伝達がどのようにして起こるのか、その基盤が明らかになった。

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