Nature ハイライト

コロナウイルス:SARS-CoV-2が宿主の遺伝子発現を遮断する仕組み

Nature 594, 7862

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)は他のウイルスと同様に、細胞に感染する際、細胞の翻訳機構を乗っ取って、宿主タンパク質の翻訳を遮断することで、ウイルス自身のタンパク質翻訳を確保し、抗ウイルス防御機構を阻害する。今回N Stern-Ginossarたちは、RNA塩基配列解読、リボソームプロファイリング、新たに合成されるRNAの代謝標識を組み合わせて、SARS-CoV-2が感染細胞で宿主の遺伝子発現を遮断する仕組みを調べている。彼らは、感染は細胞質ゾル中の細胞由来mRNAの分解促進を引き起こし、感染によって誘導される細胞の転写産物(抗ウイルス応答に関与するmRNA)が、おそらく核–細胞質間輸送の阻害によってリボソームへ到達するのを妨げることを見いだした。

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