Nature ハイライト

腫瘍生物学:NSDヒストンメチルトランスフェラーゼの構造と機能

Nature 590, 7846

ヒストンメチルトランスフェラーゼのNSDファミリーは発がんに関与するとされており、ヒストンH3のリシン36(H3K36)をジメチル化する。今回Z Wangたちは、モノヌクレオソームに結合したNSD2とNSD3のクライオ電子顕微鏡構造を決定している。NSD2またはNSD3の結合により、ヌクレオソームのリンカー領域近傍のDNAがほどけることから、H3K36に対するこれらの酵素の特異性が構造から説明される。著者たちは、NSD2とNSD3に生じるがんに関係する変異の影響を調べ、このような変異が触媒活性を高め、がん細胞増殖を促進するのにつながることを見いだした。

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