Nature ハイライト

原子物理学:極低温原子を通して2層材料の物理を調べる

Nature 589, 7840

光格子に捕捉された極低温原子は高度に制御可能な量子系であり、捕捉されていなければ非常に複雑となり得る系の挙動をシミュレートして理解するのによく適している。特に二次元原子配列について重点的な取り組みが行われてきており、強相関物質の特徴の再現が可能になっている。今回M Köhlたちは、2つの結合したフェルミオン極低温原子の二次元層において2層フェルミ・ハバード模型を実現したことを報告している。層間結合の強さを調整することで、2つの磁気秩序間にクロスオーバーが生じ、これは、こうした系が、グラフェンなどの2層材料に最近発見された豊かな物理をシミュレートできる可能性を示している。

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