Erasto Job
Credit: Nature by Kang-Chun Cheng
タンザニアでは多くの人が、安価で安全な移動手段である三輪自動車を生活の足にしています。国内の三輪自動車は約25万台で、そのほとんどが内燃機関を使っています。
私は2022年にダルエスサラームのTRíという会社で働き始めました。TRíは電気三輪自動車の販売を通じて、三輪自動車をより持続可能で手頃な価格の移動手段にすることを目指しています。私たちは2024年にはE2という第2世代の車両を発売しました。E2は、従来の車両よりも航続距離が長く、標準コンセントから充電できる車載充電器を搭載しているなど、より優れた特徴を備えています。これまでに200台のE2を販売しました。
私は技術者として、電気三輪自動車を組み立てたり、販売した車両に発生した機械的・電気的な不具合を修理したりしています。中国から送られてくる部品セットを組み立てて1台の車を作るのにかかる時間は2時間半ほどですが、修理の方は、生じた問題によって1時間で終わることもあれば2日かかることもあります。ライトが点灯しないことや、車両の電源が勝手に入ったり切れたりすることがあるのです。
写真は、TRíの工場で電気三輪自動車用の配線束を持っているところです。この車両はショートを起こして正常に作動していなかったので、配線を交換しなければなりませんでした。私は自分の仕事の中でも特に、問題をたどって原因を特定し、修理方法を考え、修理がうまくいったことを確認する一連の作業が大好きです。
私は首都ドドマに本部がある職業教育訓練局で技術者の資格を取得しました。当時は内燃機関自動車を中心に勉強していて、電気自動車に携わることは考えていませんでした。けれども今は、地元の技術者たちに、電気自動車に携わるチャンスを見逃すなと言いたいですね。電気自動車は勉強しやすく、操作も単純で、発生する問題は内燃機関自動車と同じことが多いです。電気自動車に携わることは、多くの素晴らしい機会を与えてくれます。
翻訳:三枝小夜子
Nature ダイジェスト Vol. 22 No. 11
DOI: 10.1038/ndigest.2025.251152
原文
How I’m electrifying transportation in Tanzania- Nature (2025-08-07) | DOI: 10.1038/d41586-025-02463-4
- Nikki Forrester
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