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ダイヤモンド共振器中の色中心からのゼロフォノン発光の共鳴増強

Nature Photonics 5, 5 doi: 10.1038/nphoton.2011.52

集積量子フォトニック技術は量子情報、超低電力光エレクトロニクス、センシングにおける将来の応用で重要になる。個々の量子ビットとして、ダイヤモンド中の窒素空格子点中心はこれまでに発見された最も有望な固体系の1つである。それは、電子・核スピンコヒーレンスの寿命が長く、個々の光学初期化、読み出し、情報記憶が可能なためである。未解決の大きな課題は、大規模計算に必要な多数の窒素空格子点の相互接続である。この点に関して最も有望な方法の1つは、それらを光共振器と結合することであり、光共振器はフォトニックネットワークへさらに相互接続できる。本論文では、個々の窒素空格子点のゼロフォノン線と、単結晶ダイヤモンドに形成したマイクロリング共振器のモードの結合を実証している。寿命測定の結果から、ゼロフォノン線が10倍以上増強されると見積もられる。このデバイスは標準的な半導体技術と市販の材料を使って作成できることから、集積ダイヤモンドフォトニクスが可能になる。

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