Letter

高速光量子メモリーをめざして

Nature Photonics 4, 4 doi: 10.1038/nphoton.2010.30

<p>光子の蓄積や放出を制御できる量子メモリーは、量子コンピューターや量子通信の重要な要素である。これまで、量子メモリーは、データレートがメガヘルツに限られる帯域幅で動作していた。今回我々は、セシウム蒸気における1 GHzを超えるスペクトル帯域幅でのサブナノ秒低強度光パルスのコヒーレントな蓄積と取り出しについて報告する。この新しいメモリー相互作用は遠共鳴2光子遷移を通して生じ、メモリー帯域幅が強い制御場によって動的に生成される。これにより、既存の量子メモリーの100倍を超えるデータレートが可能になるはずである。このメモリーは全効率15%で動作し、そのコヒーレンスは蓄積されたパルスと取り出されたパルスの直接干渉を通して実証されている。高温原子蒸気におけるコヒーレンス時間は、マイクロ秒のオーダーであり、このメモリーの予想蓄積時間限度となる。</p>

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