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チップベースのライダーのための逆設計した非相反パルスルーター

Nature Photonics 14, 6 doi: 10.1038/s41566-020-0606-0

アイソレーターやサーキュレーターなどの非相反デバイスは、マイクロ波周波数と光周波数の両方で通信システムを実現する重要な技術である。磁気効果に基づく非相反デバイスは、自由空間通信システムやファイバー光学通信システムに利用できるが、高い挿入損失、弱い磁気光学効果、材料の不適合性が同時に生じるため、そのオンチップ集積は困難である。今回我々は、χ(3)非線形共振器を使って、チップスケールのライダーなどのフォトニックシステムに応用するための全受動かつ低損失でバイアスのない非相反的伝送を実現できることを示す。マルチポート非線形ファノ共振器を、周波数コムベースの光測距のためのオンチップ非相反パルスルーターとして使っている。時間反転対称性によって、単一非線形共振器の動作電力範囲と伝送に厳しい制限が課されるため、我々はカスケード接続のファノ–ローレンツ型共振器システムを実装して、こうした制限を克服し、現行の最新デバイスの挿入損失と動作電力範囲を大幅に改善している。今回の研究によって、フォトニック集積に理想的に適した非相反的な伝送とルーティングのための、プラットフォームに依存しない設計が得られる。

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