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キュービットを超える実験的Greenberger–Horne–Zeilingerエンタングルメント

Nature Photonics 12, 12 doi: 10.1038/s41566-018-0257-6

量子エンタングルメントは、量子計算や安全な量子ネットワークなど、新たな量子技術に重要である。こうした技術を促進するため、Greenberger–Horne–Zeilinger(GHZ)状態など、多粒子エンタングル状態の粒子数を増やす競争が現在行われている。これに代わる道は、エンタングルした量子準位の数を増やすことである。今回我々は、現在の実験的・技術的課題を克服し、全ての粒子が3つの準位でエンタングルしている3粒子GHZ状態を作った。その結果得られたキュートリットエンタングル状態は、キュービットのエンタングル状態より多くの情報を担うことができる。今回の方法は、計算機アルゴリズムMelvinに着想を得たもので、より高次元で同時にいくつかの光子をコヒーレントに操作する、新しいマルチポートに依存する。その実現には、軌道角運動量でエンタングルした新しい高輝度4光子源の開発が必要であった。今回の結果によって、局所実在世界観の定性的な新しい反証が可能になる。さらに我々は、今回の結果が量子技術をさらに推進する道を開くとも考えている。

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