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ネットワーク上において独立した光源と事前エンタングルメント配送を用いる量子テレポーテーション

Nature Photonics 10, 10 doi: 10.1038/nphoton.2016.179

量子テレポーテーションによって、ネットワーク中の遠隔ノード間で量子状態が忠実に転送され、革新的な情報処理応用が可能になる。これを動機付けとして、膨大な研究活動が行われてきた。しかしこれまで、独立した量子光源、ベル状態測定(BSM)前のエンタングルメント配送、フィードフォワード操作を同時に用いた量子テレポーテーション実験は、実験室環境でも実現されていない。今回我々は、この難題に取り組み、12.5 kmの区域に配置された30 kmの光ファイバー量子ネットワークの構築について報告する。このネットワークは、能動的安定化法によって実世界の雑音に対してロバストであるため、同時に全ての要素を満たす量子テレポーテーションが実現可能になる。量子状態測定およびプロセストモグラフィー測定と、独立した統計的仮説検定の両方によって、このネットワーク上での量子テレポーテーションの量子的性質が確認されている。今回の実験は、実世界における地球規模の「量子インターネット」の実現に向けて重要な一歩となる。

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